自分で作る遺言書

遺言書作成サポートをご依頼されるとかなりの費用がかかります。

■ご自身で行う場合
・公正証書遺言 総額6~10万円程度
・自筆証書遺言 総額3900円

■当事務所にサポート依頼した場合
・当事務所はかかる時間で報酬設定しており高くなります。

公正証書遺言なら、公証人という専門家がチェックした遺言書をつくれます。
遺言をお考えの方は、ご自身が直接公証役場にお電話してご相談されることをお勧めします。公証役場は親切丁寧ですのでご心配無用です。

さらに自筆証書遺言を法務局に預ける制度を利用するとわずか3900円で出来ます。
法務局も親切丁寧ですが内容については一切タッチしない・できないため、せっかくの遺言が無効になる心配があります。司法書士にサポートをお願いするお金があるのでしたら、ご自身で公正役場にお願いして作る公正証書遺言が断然おすすめです。

夫婦間で互いに全財産を相続させる遺言なら、あまり費用がかからない自筆証書遺言がお勧めです。これを法務局に預けるのです。全財産を他の配偶者に相続させる内容なら文面も簡単ですから、サポート無しで十分作れます。是非ご自身で進めましょう。たった3900円(法務局に支払う手数料)で安心を手に入れられます。
ただし、体が不自由なため法務局に行けない方については法務局に預ける制度は利用出来ませんが、公正証書遺言なら公証人が出張してくれます。
若い夫婦でも明日どうなるか誰も分からないのでお勧めです。どなたでも健康なうちに3900円で遺言書をつくりましょう。
ただし、最後に説明する「遺留分」には注意が必要ですが、子がいない夫婦の場合で相続人が兄弟姉妹・姪甥の場合は遺留分を考慮する必要はありません。

遺言書が必ず必要な場合

次のような場合、遺言書がないと争いを生んで、遺された方に苦しい思いをさせてしまう可能性があります。

子供のいない夫婦 【自筆証書遺言を法務局に預けるので十分】
子供のいない夫婦の一方が死亡した場合、残された配偶者だけでなく、亡くなった配偶者の兄弟姉妹(親が生きていれば親)も相続人となります。夫婦で築いた資産を兄弟にも配分しなければならないのです。また、兄弟で死亡している者がいれば甥や姪が代襲相続人となり、甥や姪に頭を下げて遺産分割をお願いしなければならなくなります。
遺言があれば、全て配偶者に相続させることができるようになります。妻と夫どちらが長生きするか分からないので、夫婦別々に相互に遺言を作ることを強くお勧めします。
全財産を配偶者に相続させる内容であれば簡単な文章で済みます。公正証書遺言でなくても自筆証書遺言にして法務局に預けることで、自筆証書遺言の検認手続きも不要となります。これらがわずか3900円で実現します。
子供たちの仲が悪い、親族でもめた、事業がうまくいっていない、住宅ローンを抱えている、学費の仕送りをしている
遺産分割協議で兄弟が揉めてしまい、裁判所での調停になってしまうことがよくあります。また、仲の善し悪しに関係なく、子の生活に余裕が無ければ、介護などの世話をしたことが無くても、もらえるものはもらいたいと考えるものです。仲の良い兄弟で話がついても、その配偶者が裏で意見をして話が壊れることもあります。
遺言を書いておくことにより、遺産分割協議も必要なくなり、故人の遺志であれば、子供たちは納得するものです。また遺言書の中に、なぜそのような遺言の内容にしたか、今後も仲良く暮らしていくようにといったことも記載できます。
先妻との子供がいる
離婚した先妻との子供は自分の相続人となります。その子供と後妻とが遺産分割協議をすることになりますがとても重苦しく、感情的にも難しい事態になることが予想できます。遺言があれば遺産分割協議をする必要がなくなり、遺された子供や後妻はずいぶん気が楽になることでしょう。
介護の世話になっている息子の妻に遺贈がしたい
同居の息子の妻が義理の父母の介護をしていても、息子の妻には相続権はありません。遺言書によって、お世話になった息子の妻にも、財産の一部を遺贈することも出来ます。
内縁の妻に遺産をあげたい
内縁の妻には相続権はありません。内縁の妻に財産を残したいのであれば、遺言書が必ず必要です。
農業や個人事業を経営している
個人で事業をしていれば、営業上の財産でも相続の対象になります。そのため、相続により細分化すれば事業継続が不可能になるおそれがあります。 遺言で後継者に事業上の財産を相続させ、その他の相続人には現金などを相続させる等の工夫ができます。また、事業に貢献した後継者には、寄与分を考慮した相続割合にするなどの配慮も可能です。
障害のある子供がいる
障害のある子供も、健康な子供も、遺言がなければ相続分は同じです。障害のある子供には手厚く配分したくても、今は兄弟間で理解があるから大丈夫と思っていても、将来に渡ってその関係が保たれる保障はありません。 遺言書によって、障害のある子供により多くの財産を相続させるように、指定することができます。
遺言書があると余計な心配をせずに済む場合

次の場合は、遺言書を残すことで余計な心配をせずに済んだり、死後の手続きが簡単にできます。

行方不明の相続人がいる
遺産分割協議は相続人全員の参加が必要です。所在が不明で連絡が取れない相続人がいると、すぐに遺産分割協議ができません。 裁判所に不在者財産管理人の申立をするなど方法はありますが、費用も労力もかなりかかってしまいます。 不在者財産管理人を選任した場合でも、法定相続分は不在者のために確保しなければなりません。
自宅を不在者との共有にしたくなければ、自宅にも価値があるとみなされるので預貯金がわずかな場合、ほとんどの預貯金を不在者のために確保することになりかねません。
遺言を書いておけば遺産分割協議の必要がなくなり、遺言執行者によって預貯金の引き出しを始め、各種手続きがスムーズにでき、遺された人の負担を軽減することが出来ます。
相続人がまったくいない
相続人がまったくいないと、遺産は国庫にいくことになります。遺言で、生前にお世話になった友人に遺贈したり、自分の共感できる慈善団体・公共団体に寄付することが可能です。
子供がいる夫婦だが、配偶者死亡後、生存配偶者が全ての財産を相続したい
【自筆証書遺言を法務局に預けるので十分】
夫婦のいずれかが亡くなった場合、特に今後の生活に必要な預貯金等を含む全財産を配偶者に相続させたい方が多いと思いますが、子供たちと遺産分割協議が必要で、実印押印と印鑑証明書をもらう必要があります。子供たちの多くは応じることが多いでしょう。
しかし、浪費する子がいたり、事業をしている子の経営がよろしくないような場合(参考 借金がある相続人は相続放棄をするべきです)は別です。
子供がいない夫婦の場合は必ず遺言をすることが大切ですが、子供がいても、子供の所在が不明になることもあります。そこで、夫婦で互いに全財産を相続させる遺言をしておくと安心です。そして妻と夫どちらが長生きするか分からないため、夫婦別々に相互に遺言を作ることをお勧めします。
遺言で配偶者を遺言執行者に指定しておけば、子供達の協力を得ずに、死後の手続きを簡単に、安く進めることが可能です。また、子供に未成年者がいる場合も、特別代理人を選任する必要がなくなります。
全財産を配偶者に相続させる内容であれば簡単な文章で済みます。公正証書遺言でなくても自筆証書遺言にして法務局に預けることで、自筆証書遺言の検認手続きも不要となります。これらがわずか3900円で実現します。
要注意 遺留分について
遺留分とは、一定の相続人のために、相続に際して法律上取得することが保障されている遺産の一定の割合のことをいいます。 この遺留分を侵害した贈与や遺贈などの無償の処分は、法律上当然に無効となるわけではありませんが、遺留分権利者が減殺請求を行った場合に、その遺留分を侵害する限度で効力を失うことになります。
例えば、全財産を長男に相続させる遺言は、他の相続人の遺留分を侵害する可能性が高く、田舎の十和田市でも、これ目当てに他の相続人から訴訟を起こされることがあります。
→各種遺言の比較