公正証書遺言

▶公正証書遺言作成の流れ

公証役場で公正証書遺言を作成するには、
1.ご本人が直接、公証役場に通って公証人から聞き取りを受けながら作成してもらう方法と、
2.専門家に依頼して進める方法があります。

どんな人が公証人になるのですか

検察官・裁判官・法務局の最高幹部を務めた人がほとんどです。

公証人は、遺言書の成立を確実にすることにより、法律的に紛争を回避するような一般的アドバイスはしますが、お客様固有の様々な事情を詳細に理解するまでは難しいと思います。また、死後の手続きをスムーズに実現するような細かな配慮をした内容にするアドバイスも、あまり期待できないと思います。

遺言書の有効性を保ち、死後の手続きをスムーズに進めるために、各種手続きに詳しく、お近くで気軽に何度も相談できて、お客様の事情を詳細に把握できる専門家に依頼することをお勧めします。

1 公証役場(最寄りは八戸市)と打ち合わせて遺言の内容をきめる。
公証人との打ち合わせを数回繰り返すことになります。不動産の登記事項証明書や戸籍謄本等※を集め、貯金通帳なども調査して財産目録を作成する必要もあります。
※戸籍謄本等とは、戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本及び戸籍(除籍、改製原戸籍)全部事項証明書等のことです。 相続人が第二順位(遺言者の直系尊属)、第三順位の場合は、別途必要な書類があります。
2 遺言の内容が決まったら、証人2人に遺言作成日に立ち会ってもらえるようにお願いする。
証人になれない人
1.未成年者
2.将来相続人となる予定の人(法定相続人と、遺言によって財産を受け取る人)
3.将来相続人となる予定の人の配偶者・直系血族
4.公証人の配偶者や四親等内の親族、公証役場の書記官や従業員
5.遺言書の内容が理解できない人
3 公証役場で行う公正証書遺言作成の日と時間をきめる。
4 遺言作成当日は証人2人とともに公証役場(最寄りは八戸市にある八戸公証役場)へ出向く。または公証人に出張してもらう。
5 公証人が遺言の内容を遺言者と証人に読み聞かせ、又は閲覧させて、筆記した内容が正確なことを確認させる。
6 遺言者と証人2人が遺言書に署名・押印する。
7 原本は公証役場で保管され、遺言書の正本と副本を受け取る。
8 公証役場に費用を支払う。

 

▶専門家に依頼するメリット

1 証人2人を集める必要がなくなります。専門家には守秘義務があるため、遺言の内容が外部に漏れることはありません。

2 時間と手間のかかる公証人との打ち合わせをおまかせできます。
遠方にある公証人役場に行って面談をし、公証人に内容やご意志が強いことを確認してもらわなければなりません。司法書士は時間をかけて遺言者のご意志を確認しており、そのことを正確に公証人に伝えます。公証人も司法書士を専門家として信頼しておりますから、公証人の所に何度も出向くのを省くことができます。

3 司法書士は各種手続きに詳しいので、死後の手続きがスムーズになるように配慮できます。

4 高度な法律知識が要求される遺言の文案作成をおまかせでき安心です。

5 遺言公正証書作成に必要な書類をすべて集めてもらえます。

6 死後の手続きを確実でスムーズにするため、「遺言執行者」をお願いすることもできます。

▶遺言執行者の指定

公正証書遺言と自筆証書遺言のどちらの場合でも、死後の遺言執行の手続きを行うための遺言執行者を指定できます。

預貯金や不動産を特定の人に遺贈するような場合、他の相続人の方が協力してくれるとは限りません。全ての相続人の協力がなければ進めていくことができません。そのような場合になったとしても、遺言執行者はこれら相続手続きを職権で行うことが出来ます。

遺言執行者は、相続人の一人を指定することも可能です。しかし、相続人の中の一人を遺言執行者にしたことでトラブルになったり、誠実に遺言執行手続きを行わないことも考えられ場合は、専門家を指定するとよろしいでしょう。

▶遺言をすることで親族間でもめる場合に注意

遺言をすることでかえって親族間でもめる場合があることに注意しなければなりません。
遺言者にとって独占的で都合のよい内容のものであったり、認知障害が出たり寝たきり状態になる頃合いで、介護してくれている子から持ちかけられるような場合はその危険が高くなります。公正証書遺言が作成された場合でも、遺言者の意思に問題があるとして裁判で無効になる例があるくらいです。
ご本人の認知にやや障害が見られるような場合は医師の診断を受けていただくなど証拠を残すことを強くお勧めします。

▶費用

公正証書遺言の作成にかかる費用とは、当事務所に遺言作成のサポートを依頼された場合や証人立会にかかる報酬と、公証役場に支払う費用です。その他、戸籍謄本等の収集を依頼されることも可能です。→戸籍謄本等の収集

▶公証役場に支払う費用例

公正証書作成等に要する費用(外部リンク)
別途、戸籍謄本、印鑑証明書、住民票、登記事項証明書、固定資産評価証明書等の費用がかかります。